酒井和彦の森の学校 2019冬

シリーズ 教室で学んで欲しいこと

この森林教室は4回に分けて行いますが、これから入会を考えている方や会員の方にも一緒に考えていただきたいです。

第1回:まず何かボランティアをやってみる
第2回:自分の健康 人間の多様性
第3回:葉っぱの機能
第4回:冬芽の話

第4回:冬芽の話

「冬芽」「夏芽」「秋子」「春子」をそれぞれ何と読みますか? 昔、協力隊の植林隊の試験に出た問題です。

これらはもはや古語になってしまっていると思いますが、とうが かが あきご はるご が正解でした。
秋にとれるシイタケが あきご なのですが、林業の衰退とともに言葉も廃れてきています。
森や林があまり使われなくなり、営林局は森林管理局になり林学は森林科学になりました。
逆に「森林ボランティア」は今や違和感がなくなり、「森林を自主的に保全する人達の集まり」ですなんて自己紹介も要らなくなって来ました。

さてさて老人のぼやきはこれくらいにして「ふゆめ」の話に入ります。
親子森林教室や澄川南小学校の子供たちに、ミズナラ ホオノキ キタコブシ エゾマツの冬芽を観察してもらっています。
芽鱗が5列に並ぶミズナラ、下着に産毛が生えているホオノキ 紡錘形のキタコブシ ヤニのついたトドマツです。
4人の会員に説明していただいていますが、子供たちはいろんな形があることを見てもらえればそれでいいと思います。

冬芽の観察会が色々あるようですが、以前はまだ葉っぱの出ていない木の冬芽や葉序や幹を見て何の木か判別するのが主目的でした。今はいろんな冬の服を着て冬眠しているけなげな木々の姿を見て、それぞれの子供がこの芽の将来を何か想像してもらえればうれしいです。子供にとって冬芽は現在の自分です。
春が来て一斉に開葉し沢山の光を受けて、ちょうどその頃雪も解けて水を吸い上げて盛んに光合成をおこないますが、それを想像できる子供になってほしいです。
私は時々ビリギャルの話をします。
小学生の時に出来の悪かった女の子が学校の先生になる実話ですが、小さい時に背が低い苗畑の苗も、十年もすれば必ず追いつくので心配せずに好き嫌いせずに沢山食べるように話します。

(おじさんの小さい時日本は開発途上国で、ミルクも長靴も自転車もアメリカの援助物資だったと話したいのですがじっと我慢してこの紙を借りてぼやかして下さい)

前の記事
酒井和彦の森の学校 2019秋
次の記事
酒井和彦の森の学校 2020春